2016.01.21更新

 こんにちは。

 弁護士の角井です。

 

 さて,既にお気付きの方も多いかと思いますが,当職が出演する動画がホームページ上で公開されました。

 恥ずかしすぎて内容を深くチェックできていないのですが,皆様どのような感想をお持ちでしょうか。

 

 このブログをご覧になっている皆様にはご存知のことと思いますが,ブログの文体は極めてフレンドリーです。

 フレンドリーというか,ファニーというか,フェミニンというか,フェミニンは違うか。

 

 私としては,親しみやすいところを打ち出していこうと思っていたのですが,あまりにも親しみやすすぎるのではないかという声も様々な方角から聞こえておりました。

 そこで,少しは仕事をしている風景をご覧いただいた方が良いのではという気持ちから,動画を撮ることになったわけです。

 これで,私が普段どんな姿をして,どんな声で話しているのかがわかりますね。

 

 そして,業者の方は,ローカル臭を消そうとして様々な努力をしてくださったのですが,やはり真実を隠すことはできませんね。

 電話があんな場所にあるわけないのです。

 もしあのシーンを撮影しているときにお電話をくださった方がいらっしゃいましたら,この場をお借りしてお詫び申し上げます。

 つながらなかったのは,電話機と電話線が接続されていなかったからです。

 

 動画を撮った当時より,当事務所は少しだけパワーアップしました。

 まず,本棚を増設し,さらに多くの書物を収納できるようになりました。書物はこれから徐々に増えます。

 また,アイリスオーヤマ社製の電気ファンヒーターを購入し,相談室の平均温度を上げることにも成功しました。

 

 事務所の改修工事の方は,まだまだ時間がかかる模様です。

 ご来所の皆様には引き続きご迷惑をおかけしますことをお詫び申し上げます。

 

 いつの日か立派な法律記事を書いて見せます。その日が来るまでゆるいブログを読みながらお待ちください。

投稿者: アダジオ法律事務所

2016.01.07更新

 こんにちは。

 弁護士の角井です。

 

 本日から,当事務所が入居する建物が改修工事を行っております。

 いや,私も知ったのは今日の午前10時過ぎですので,事前にお知らせできなかったことを責めるのはやめてください。

 横須賀の片隅で細々と執務をしているわけですが,私としては事務所を結構気に入っているのです。

 そうはいっても,建物が老朽化していくのは避けられないわけで,今般大規模改修が始まったというわけです。

 

 工事が始まったのはいいのですが,金属と金属がぶつかり合うすさまじい轟音が私の繊細な聴覚を襲い,辛くて仕方ありません。

 足場を組んでいるだけのはずなのに,何でこんなに建物自体が揺れるんでしょうね。不思議なこともあるものですね。

 相談希望の皆様や打ち合わせにいらっしゃる依頼者の方々には多大なるご迷惑をおかけしますことを,あらかじめお詫び申し上げます。

 

 ちなみに,どういう工事をするかとかどのくらい工事が続くかとか,そういう細かい情報は一切存じておりません。

 スローライフ感満載の当事務所を見捨てることのないよう,重ねてお願い申し上げます。

投稿者: アダジオ法律事務所

2016.01.06更新

 新年あけましておめでとうございます。

 弁護士の角井でございます。

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 アダジオ法律事務所を開所してから,初めて迎えるお正月となりました。

 おかげさまで,無事に新年を迎えることが出来ましたこと,心より御礼申し上げます。

 

 さて,今年は,弁護士3年目となります。

 運転免許を取ったときもそうなのですが,最初のうちはわからないことばかりなので,慎重に物事を進めていく姿勢がおのずから育まれます。

 しかし,しばらくすると,良くない意味での「慣れ」が生じてきてしまい,多少無理をしてみたり,行けるか行けないかのタイミングで行く方を選択してしまったりします。

 私自身,ある程度の経験は積んできたつもりですし,いつまでも新人というわけにはいきません。

 多少背伸びをしたくなることもあります。

 

 ですが,それで失敗してしまったとき,不利益を被るのは他ならぬ依頼者の皆様です。

 私のちっぽけなプライドが傷つくのは全然かまいませんが,私を信頼して依頼してくださった皆様を裏切ってしまうことは本意ではありません。

 本年も初心を忘れず,石橋を叩きすぎて叩き壊す覚悟で事件処理を進めてまいります。

 

 今後も変わらぬご愛顧の程,宜しくお願い申し上げます。

 

 

 弁護士 角井 駿輔

投稿者: アダジオ法律事務所

2015.12.09更新

 こんにちは。

 弁護士の角井です。

 時々失踪宣告されそうになっていますが,私は元気にやっております。

 

 さて,今日は,当ホームページの新しいコンテンツ準備に励みました。

 近々公開されるようですので,ご期待ください。感想を一言で言うと,「恥ずかしくて死にそう。」です。

 

 年賀状を書かなければならないことは分かっています。

 しかし,神がそれをお許しにならないのです。

 そうでなければ,この膨大な事務作業に忙殺されているはずがないのです。

 大丈夫です。締め切りまでにはまだ時間があります。

 

 先日,修習同期が事務所に来てくれました。

 ドラマの影響で弁護士と検察官と裁判官は犬猿の仲だと思われている方も多いですが,実際には同じ釜の飯を食った同志とも言うべき関係です。

 私の同期でも検察官になったり裁判官になったりしていますし,実際に事件でやり合うときにも共通言語を持っていることでやり取りがスムーズに進みます。

 この同期は,名古屋で弁護士をしているのですが,話をしてみるとなかなかに充実した生活を送っているようで,なんとも羨ましい限りです。

 昼ご飯を欲張ってしまい,ずっと海軍カレーとネイビーバーガーが胃に残り続けてしまったことだけが残念でなりません。

 

 最近,法科大学院生に勉強を教える機会が多くあります。

 実務にどっぷりとつかってしまった身としては,細かな論点を追いかける余裕もなく,ただただ恐縮するばかりです。

 資格試験などでよく言われることとして,試験では手続に則った正確な知識が必要とされますが,実際の現場では逆に堅苦しくてうまくいかないということがあります。

 私自身,学生の頃は理想論ばかり語っていたなぁと恥ずかしい気持ちになることもあります。

 ただし,理想論に意味がないわけではなく,理想を追いかけつつも現実に合わせて修正する能力が必要とされると思っています。

 いま.ふたたびあの頃の青い気持ちを思い出しながら,今週末も教壇に上がってきます。

 

 随筆スタイルもいいですね。今後は,より更新できるように努力します。

 

投稿者: アダジオ法律事務所

2015.11.12更新

 こんにちは。

 弁護士の角井です。

 

 飲み会が何日か続いたときは,時間感覚が失われてしまいますね。

 これは夢なのか?現実なのか?夢のように見える現実なのか?現実のように見える夢なのか?

 何やら危ない空気がしてきたので,このへんでやめておきましょう。

 

 さて,最近いろんな人から聞かれるようになったマイナンバー制度。

 私自身もあまり意識していませんでしたが,こうも話題になってくるとやはり気になります。

 ただ,マイナンバーに関しては充実したネット記事がありますし,私にそれを超える文章を書く能力はありません。

 あくまで簡潔に制度の概略についてお話しします。

 

 

1.マイナンバーとは何か

 

 マイナンバーとは,日本国内の市町村に住民登録している日本人及び外国人ひとりひとりに割り振られる番号のことです。また,法人にも同様に番号が割り振られます。個人番号は12ケタ,法人番号は13ケタの数字から構成されます。

 マイナンバーは,全員に異なる番号が割り振られますので,ひとりとして同じ番号を持っている人はいません。原則として,一生同じ番号ですので,何か縁起が悪いから変えたいということはできません。

 それでは,マイナンバーは何のために割り振られるのでしょうか。それは,「納税者番号」として用いるためです。勤務先からマイナンバーの提供について話があった人もいるかもしれませんが,それは源泉徴収票に番号を記載する必要があるからなのです。

 

 

2.住民票コードの違い

 

 マイナンバーの話を聞いたとき,既視感(デジャブ)に襲われた人もいたのではないでしょうか。「あれ,むかしむかし住基ネットとかいう問題があったような気がする。あれとの関係ってどうなるんだろう?」と。

 住民票コードは,文字通り住民票に与えられた番号です。住基ネットが始まったために,日本中で簡単に個人を特定するため,開始された制度です。

 「でもそんなコードを入力したことあったかなぁ。そういえば,免許証代わりに住民基本台帳カードを持ってる人はいたなぁ。みんなで調べてみよう!!」。なんだか小学校の社会科の教科書みたいな口調ですいません。

 しかし,国民の認識はしょせんその程度です。その理由は,①地方自治体の自治事務だったので行政がやる気を見せなかったこと,②住民票コードがなくても行政手続において困ることはなかったこと,③住民基本台帳カードは身分証明書として利用するために発行され,住民票コード自体の必要性はなかったことなどが挙げられるでしょう。

 それに比べて,マイナンバーははるかに規模が大きい話となります。その理由は,①推進しているのが各自治体ではなく国であること,②マイナンバーは社会保障関係の手続や災害時などの幅広い手続で必要になると予想されること,③行政だけではなく民間でも利用が検討されていることなどが挙げられます。

 

 

3.番号通知の手続

 

 10月から番号の通知が始まりました。横須賀市はまだかと思いますが,概要次のような手続で行われます。

 マイナンバーは,住民票上の住所に世帯単位で簡易書留で送られてきます。そうすると,住民票を移動しないで単身赴任している人や長期入院している人には届かないことになります。また,DV被害などで夫から離れて生活している妻は,夫にまとめて番号通知が行われるという問題点が指摘されています。ただ,これは事前の申告によって防ぐことができます。

 簡易書留で届くということは,郵便局員が対面で手渡しするということです。不在だった場合は,1週間の保管期間がありますが,それが過ぎると各自治体に返送されてしまいます。その場合,本人が住民登録している自治体に取りに行けばいいのですが,3か月程度で破棄される予定です。それでも番号自体が消えることはありませんが,自分の番号を知るためには,自治体に対し再発行を求めることになるでしょう(そして,たぶん再発行手数料がかかるでしょう。)

 

 

4.通知カードと個人番号カード

 

 マイナンバーに関連するカードは2種類あります。一つは,いま発送が始まった「通知カード」,もう一つは「個人番号カード」です。

 通知カードはその名の通り,国民に対してマイナンバーを通知するためのカードです。記載事項は,個人番号+氏名・住所・性別・生年月日で顔写真はありません。使い方としては,運転免許証やパスポートなどと組み合わせてマイナンバーの提供をすることができます。

 個人番号カードは,表面の裏面にそれぞれ記載事項があります。表面は,顔写真と氏名・住所・性別・生年月日です。裏面には個人番号が記載されています。また,ICチップが埋め込まれるとの事であり,Suicaみたいに使えるんじゃないかと目下話題沸騰中です。

 ただ残念なのは,せっかくICチップで番号の匿名化ができるのに,裏面にがっつりマイナンバーが書いてあるところです。落としたときにどうなるんでしょうね。怖いですね。

 なお,個人番号カードを作るのは義務でも何でもありません。ちなみに私は作りません。なぜなら興味がないから。

 

 

5.当面の使い道

 

 なにやら盛り上がっているマイナンバーですが,当面はあまり使い道がありません。

 勤務先から言われてマイナンバーを提供する必要がある程度ですが,これ自体も義務ではなく,嫌なら嫌と言えば済む話です。

 将来的には,公務員の身分証明書として使ったり,施設内に出入りするときのカードキーとして使う構想もあるようですが,いつごろ実現するのか,強制はできるのかなど不透明です。

 私自身としては,人間に番号を振って管理しようという発想自体に嫌悪感を覚えるので,あまり協力したくはないなと言ったところでしょうか。

 

 

6.雑談

 

 ちなみに,拘置施設や刑務所では収容者に番号をつけていますが(俗に囚人番号と呼ばれます。),あれにはちゃんと理由があるらしいのです。

 「刑事施設において名前で呼んでしまうと,実は薬の売人と購入者が同じ施設にいたり,関係している組織の人間がいたりしたときに気付かれてしまい,どちらかが危険に晒される。だから俺たちは,それを防ぐために番号で呼んでいるんだ」。ある警察官はドヤ顔で私に教えてくれました。その説明を聞いてからは,特に違和感なく接見に臨むことができています。説得力のある説明って必要ですね。

投稿者: アダジオ法律事務所

2015.11.04更新

 こんにちは。

 弁護士の角井です。

 

 事務所で仕事をしていたところ,横浜弁護士会のメーリングリストが目に留まりました。

 今日は,坂本堤先生の命日です。

 

 坂本先生は,横浜弁護士会の大先輩であるというだけでなく,横須賀高校の大先輩でもあります。

 「坂本弁護士事件」当時の記憶はありませんが,地下鉄サリン事件などの一連のオウム報道は鮮明に覚えています。

 まだその当時は,自分が横高に進学するなど,はたまた弁護士になるなど夢にも思っていませんでした。

 

 坂本先生と直接面識があるわけではむろんありませんが,私にとって坂本先生は何かにつけて意識せざるを得ない存在です。

 坂本先生が亡くなられた年齢に近づくにつれ,その思いは一段と強くなっています。

 

 朝日新聞の神奈川版では,「青春スクロール 母校群像記」という連載が行われています。

 我が母校である横須賀高校も取り上げられましたので,その頃は毎週欠かさずチェックしたものです。

 

 その中に,坂本先生について記載された箇所があります。

 少し長いですが引用します。

 

 

 『横須賀高校(以下,横高)の卒業生で決して忘れてはならない一人が,弁護士の坂本堤(故人,75年卒)だ。オウム真理教被害対策弁護団の活動をしていた坂本は1989年,教団幹部らによって妻と1歳の長男と共に殺害された。

3年間,坂本と同じクラスだった元横須賀市部長の森山武(57,75年卒)は「筋を通すけれど気さく。おちゃめな男だった」と振り返る。最後の体育祭では「緑」チームの団長に。

「個性の強いクラスをまとめられるのは彼だけ。みんなに慕われた」。命日に合わせ,今も11月3日には同級生らが集まる。』

 

 

 私が弁護士になったときに,弁護士会による新人研修がありました。

 その時のテーマは「業務妨害対策」。担当講師は,滝本太郎先生でした。

 滝本先生は,坂本先生と一緒にオウム真理教被害対策弁護団の活動をされ,ご自身もサリンをかけられるという被害に遭っています。

 

 その研修の最後に,滝本先生が次のようなお話をされました。

 「坂本やその家族が今もいる場所が日本に3つある。一つは,北鎌倉の円覚寺松嶺院内,一つは,弁護士会館内,一つは,長野・新潟・富山の三現地である。」

 私はその話を聞くまで恥ずかしながら知らなかったのですが,日本大通にある横浜弁護士会館1階には,入り口を入ってすぐのところにある柱に,坂本弁護士事件のプレートが設置されています。

 

 坂本先生が事件に巻き込まれたのは弁護士登録3年目のことでした。

 私ももうすぐ3年目に突入します。

 日々の案件処理で心をすり減らすことも多いのですが,坂本先生が見られなかった景色を見るためにも,慎重に案件処理にあたっていく所存です。

 

 あともう一つ。

 人の肉体は,「死」という生理現象によって失われますが,人の精神は人々に語り継がれることによって存続します。

 坂本弁護士事件を知らない世代がますます増えていく中,私一人でも語り継いでいこうと決意しています。

 あの事件は決して忘れてはならない事件ですから。

投稿者: アダジオ法律事務所

2015.10.30更新

 こんにちは。

 弁護士の角井です。

 なぜか毎日暑いですね。きっと温室効果ガスを削減していないせいでしょう。

 

 

 現在,国選の刑事事件を担当しています。

 「国選事件」というのは,世間的にも知名度があるようで,「今週は国選事件の担当週なんだよね。」と言っても大体通じます。

 「HERO」にせよ「リーガルハイ」にせよ,国選事件を取り上げているわけ作品は多いわけではないのに,なぜこんなに有名なのか。私にはよくわかりません。

 

 ただ,国選事件をやっていると,世間の皆さんが国選事件をどう思っているのかはわかります。

 それは,「国選事件なのに熱心ですね。」「国選事件なのに大変ですね。」「先生も国選事件だとお思いでしょうけど。」というセリフからもわかります(すべて,実際に言われたセリフ)

 なぜ国選事件の評価がこんなにも低いのか。それはよくわかりません。

 

 昨年は,多くの私選事件を担当したのですが,その中でも気になるセリフは多々ありました。

 「国選の先生じゃ不安で。」「やっぱり国選だとやる気も出ないんですよね。」「私選の先生ですか!これでもう安心だ。」

 弁護士のことを金額に応じて仕事量を変える生き物だと思っていらっしゃるようですね。

 

 ご安心ください。世の中の弁護士は,国選でも私選でも仕事量に差をつけるようなことはしません。

 私選にできて国選にできない手続も特にありません。

 ましてや,私選の方が処分が軽くなるなんてことはまずありません。

 

 ならば,私選制度は何のためにあるのか。

 答えは一つ。「自分が気に入った弁護士に依頼することができる。」ということです。

 

 国選制度は,プロ野球におけるドラフト制度のようなものだと思うのです。

 野球はしたいのに自分が入る球団は決められない。弁護は必要なのに自分を担当する弁護士は決められない。

 じゃあ,自分で決めるにはどうすればいいか。私選弁護を頼めばいいわけです。(昔でいうところの逆指名制度みたいなものです。たぶん。)

 

 前にもどこかでお話ししたような気がするようなしないような感じですが,弁護士選びの最大のポイントは自分と性格が合うかどうかです。

 ガツガツ責め立てる先生は,交渉を有利に進めることができるかもしれませんが,柔軟性に乏しいかもしれません。

 穏やかな先生は,相手方をやり込めることはできないかもしれませんが,話をじっくりと聞いてくれるかもしれません。

 

 自分の担当弁護士を自分で決めるための対価が私選弁護の報酬だと私は思っています。

 それが高いと思うか安いと思うかは,みなさまのご判断にお任せします。

投稿者: アダジオ法律事務所

2015.10.22更新

 こんにちは。

 弁護士の角井です。

 最近,冒頭のあいさつもあっさりしてきたものです。

 まぁ私は「こってり」より「あっさり」の方が好きなので,自分には合ってると思います。

 (私はあの「こってり」がしゃぶしゃぶのごまだれにしか見えません。)

 

 さて,本日のテーマは,「専門分野とは何か」です。

 話は変わりますが,先週金曜日に以前お知らせしていた市民法律講座が行われました。

 参加してくださったみなさま,どうもありがとうございました。

 急ごしらえのレジュメと急ごしらえの話だったにも関わらず,最後までご清聴頂き,ただただ恐縮しております。

 

 その席の最後,帰ろうかとしているときに,参加者の方にいろいろと質問をいただきました。

 その際,「先生のご専門は何ですか?」と聞かれました。

 来ました。私が最も答えづらい問題!(いや,他にも年齢やら経験やら聞かれたくないものはあります。)

 思えば,一般の皆さんとお話をしているとき,必ずと言っていいほど聞かれるのが専門分野です。

 しかし,今一度考えてみましょう。「果たして弁護士に専門分野はあるのか?」ということを。

 

 

 ここで,一つヒントとなるのが,医療の世界との対比です。

 医師の先生方は多くの専門分野に分かれています。そして,私たちはそれに応じて受診する科を決めます。

 おなかが痛くなったら消化器科,関節が痛くなったら整形外科,頭が痛くなったらいきなり脳外科には行かず内科。

 そして,各診療科の中でも数多くの専門領域に分かれています。

 そうすると,きっと皆さんは思うはずです。「弁護士にも専門領域があるはずだ。」と。

 

 ここで衝撃的なお知らせをします。

 弁護士の業務広告において「専門分野」という表示をすることは控えるべきこととされています。

 

 

◆弁護士及び弁護士法人並びに外国特別会員の業務広告に関する指針

第3 規程第3条の規定により規制される広告

 12 専門分野と得意分野の表示

  ⑴ 専門分野は,弁護士情報として国民が強くその情報提供を望んでいる事項である。一般に専門分野といえるためには,特定の分野を中心的に取り扱い,経験が豊富でかつ処理能力が優れていることが必要と解されるが,現状では,何を基準として専門分野と認めるのかその判定は困難である。専門性判断の客観性が何ら担保されないまま,その判断を個々の弁護士及び外国特別会員に委ねるとすれば,経験及び能力を有しないまま専門家を自称するというような弊害も生じるおそれがある。客観性が担保されないまま専門家,専門分野等の表示を許すことは,誤導のおそれがあり,国民の利益を害し,ひいては弁護士等に対する国民の信頼を損なうおそれがあるものであり,表示を控えるのが望ましい。専門家であることを意味するスペシャリスト,プロ,エキスパート等といった用語の使用についても,同様とする。

 

 

 さてさて,これで二度と聞かれることはありませんね。めでたしめでたし。

 

 

 

 そうはいかないでしょうね。なぜなら,「規程で専門分野の表示自粛を求めていること」と「弁護士が専門分野を持つべきかどうか」という話は全く別の話だからです。

 続いて,専門分野に関する私自身の意見を披露します。

 

 弁護士の世界において,確かに「専門的分野」というものは存在します。

 例えば,知的財産権,医療過誤,渉外などは,通常の弁護士が対応できる問題ではありません。

 それは,内容自体が非常に高度で複雑であることと,日常業務においてそのような事案を経験する機会がほとんどないためです。

 このような分野については,上に挙げた分野を専門分野としている弁護士に依頼する必要があります。

 しかし,裏を返せば,そのような専門的分野以外の案件については,弁護士でありさえすれば対応できるということになります。

 

 もう一つ考えなければならないのは,弁護士自体の数と依頼事件の多様性です。

 例えば,平成27年7月31日現在の弁護士の数は,全国で36,390人です。このうち,約半数が東京に在籍していると言われています。

 専門分野のみを行う弁護士のことをスペシャリストというならば,その対応できる範囲は非常に狭いということになります。

 クロイツフェルト・ヤコブ病の専門医が(たぶん)単純な風邪の診断ができないように,知的財産法のスペシャリスト弁護士は,(きっと)ご近所トラブルを処理できないはずです。

 このようなスペシャリスト弁護士が仕事をしていくためには,各分野に特化した弁護士が多数存在している状況が必要になります。

 そして,そんなことができるのは,今のところ東京だけです。

 

 私が仕事をしている横須賀市は,弁護士の数が多いとは言えない地域です。

 日頃相談をしている内容は,日々の生活の中から生まれてくるような身近な問題です。

 それは様々な分野に及んでいますので,幅広い知識が必要になります。

 そのため,私はスペシャリスト弁護士ではなく,ジェネラリスト(万能)弁護士を目指したいと考えています。

 万能ねぎは,ラーメンに入れても鍋でもぬたでもみそ汁でも納豆の薬味でも何でもござれです。そんな感じです。

 

 そういうわけなので,私には専門分野はありません。逆を言うとできない分野もほとんどありません。

 弁護士に相談すべきかどうかわからなくても大丈夫です。「それは弁護士に相談する事案ではありません。」とお答えします。

 今後とも万能ねぎ弁護士・角井をよろしくお願いします。

投稿者: アダジオ法律事務所

2015.10.13更新

 こんにちは。

 弁護士の角井でございます。

 いやぁ,読者の方の中には心配に思ってる方もいらっしゃったのではないでしょうか。

 角井は死んだんじゃないか,と。

 そう。すべては9月に遡るのです。

 その日は,当番弁護士の担当日でした。

 

 

Q1.当番弁護士って何ですか?

 

A1.当番弁護士とは,各単位弁護士会(横須賀でいえば横浜弁護士会)ごとに当番の弁護士を置いて,被疑者や家族・知人から弁護士会に接見依頼があれば,当番の弁護士が無料で接見に応じる制度です。

 

 

 朝,事務所に行くと早速弁護士会からの電話あり。内容を聞くと,被疑者のお父さんからの依頼らしい。お父さん。もう嫌な予感しかしない。

 「先生,少年事件です。新件送致なので在監場所を確認してから接見に行ってください。」

 普段,私選事件でもない限り,我々弁護士が初めて接見に行くのは,被疑者が勾留された後です。裁判所から帰ってくる時間を見計らってから行くので,大体午後5時以降になります。国選事件を多く担当している私にとって,初回接見とはそういうものという認識です。それなのに,新件送致とは!

 

 

Q2.新件送致ってなんですか?

 

A2.被疑者は逮捕されると48時間以内に検察庁に身柄を送られます。ニュースでは,「送検」という言葉でおなじみですね。検察庁では,検察官が被疑者の言い分を聞いて「弁解録取書」というものを作ります。この後,検察官は,被疑者を勾留すべきか,釈放すべきかの判断をすることになります。

 

 

 「そうか,そうか。新件であれば検察庁に行けばいいんだね。勾留されるかどうかは話を聞いてみないとわからないけど,勾留されれば国選弁護人に選任するように要望書を出しておこう。」とまぁ,この時の私は思っていたわけです。

 少年に会っていろいろなお話を聞きましたが,守秘義務があるので内容はお話しできません。勾留されるかどうかは微妙な案件でした。そこで,接見室まで案内してくれた検察事務官が衝撃の一言を言うのです。

 「先生,本件は家裁に直送予定です。」

 

 

Q3.家裁に直送ってなんですか?

 

A3.通常の刑事事件の場合,勾留しないのであれば釈放するしかありません。しかし,少年事件の場合は,全ての事件を家庭裁判所に送致しなければならないことから(少年法41条,42条),勾留しない場合には直接家庭裁判所に送致されることになります。これが「直送」です。

 

 

 複雑な話になってきました。「当番弁護士」の待機日に出動要請があり,事件は「少年事件」で「新件送致」であり,在監場所を確認したら「検察庁」で,「勾留」されると思っていたら「家裁に直送」されました。かなりイレギュラーな事態が私を襲おうとしていました。

 家裁の出した結論は,観護措置に付するというものでした。

 

 

Q4.観護措置ってなんですか?

 

A4.観護措置とは,家裁が調査,審判を行うために,少年の心情の安定を図りながら,少年の身体を保護してその安全を図る措置です。観護措置には,家裁調査官の監護に付する措置と少年鑑別所に送致する措置の2種類がありますが,通常は後者の措置が執られます。3年B組金八先生第5シリーズで兼末健次郎に対して行われたのもこの措置です。

 

 

 少年鑑別所というのは,各都道府県に一つしかありません。神奈川県では,港南中央にある横浜少年鑑別所だけです。遠い。それでも当番弁護士として接見した者として,継続して受任しようという強い決意を抱いたわけです。しかし,そんな強い決意は天変地異によって打ち砕かれてしまうのです。

 

 

 そう,金沢八景以南の京急線が大雨で動かなくなってしまったのですね。

 

 

 それでも何とかして鑑別所までたどり着こうとしましたが,やっぱり無理でした。

 力尽いた私は歩いて家まで帰りました。

 

 次に問題となったのは,少年事件の迅速性です。観護措置は,通常2週間なのですが,更新されると4週間まで延長になります。鑑別所では,心理テストやIQ測定を行う関係から,3週間程度の時間が必要と考えられており,更新されるのが原則となっています。観護措置が終わる前に少年審判を開く必要がありますので,少年事件では観護措置をとられた時期から審判日の予測が立つことになります。

 

 そうするとどうなるか。審判は,観護措置が取られてから概ね3週間後。その間に被害者との対応や学校との連絡や少年との面会をすべて終えなければなりません。少年事件はとても忙しいのです。

 しかも,あらかじめ少年事件の担当となっていれば,その後の予定を空けておくことができます。みなさん思い出してください。今回は当番弁護士からの受任です。

 

 

 つまり,予定が全く空いていない。

 

 

 ここまでお読みいただいた皆様にはもうお分かりだと思います。なぜ私がブログを更新できなかったのか。

 しかし,事件も終了し,3連休でMGSⅤを全クリし,ようやく帰ってまいりました。

 これからはブログを更新できるように頑張ります。

 

 

 この事件の結末をお話しすることはできませんが,忙しくも充実した日々だったと思います。

 願わくば,二度と事件を起こさないように生きていってほしいものです。

 人の痛みを知れば警察の厄介になるような事件は犯さないはずだと信じています。

 高校の先生から教えてもらった,ある高校生の歌は,いまでも私が生きる指針として胸の内に息づいています。

 今日は,その和歌でお別れしましょう。

 

 「人の持つ 痛み知るため 学問を 続けんと思う 受験生の夏」

投稿者: アダジオ法律事務所

2015.09.07更新

 こんにちは。

 横須賀のアダジオ法律事務所の弁護士の角井です。

 

 ブログを更新しなければならないことは分かっているのですが,何かとやらなければならない仕事があってつい疎かになってしまいます。

 (いないとは思いますが,)読者の皆様にはお待たせして申し訳ありません。

 

 さて,何を隠そう,明日は司法試験の合格発表日ですね。

 私が合格したのは,いまから3年前のことですが,遠い過去の出来事に感じます。いやぁ,この3年間はいろいろありましたなぁ。

 私の友人たちも受験していますので,明日は是非よい報告が聞けることを楽しみにしています。

 

 法科大学院生は,司法試験に合格することを目標にして日々を過ごしているのですが,合格はゴールではありません。

 まさしくスタートラインに立った状態であり,法曹への道はこれから始まるのです。

 ただ,司法試験に合格すると,身の回りに様々な変化が起こります。

 どんなことが起こるのか,記憶を振り返りながら説明していきましょう。

 

 

1.友達が増える

 

 よく芸能人になると親戚が増えるといいますが,それに似たようなものです。

 法律関係の友人は,それほど驚きもしませんが,それ以外の分野の友人たちはただただ驚いてくれます。

 特に,合格前は法科大学院生という世間から見ると気楽な職業をしていますし,試験後はただのニートと化しているわけなので,周囲からの評判は決して高くありません。

 それが合格すると突然の高評価。ある友人は,「おまえが友人でおれは誇らしい。」と言っていました。ジャイアン的な嗜好が垣間見えます。

 そして,各グループごとに祝賀会と称した同窓会が催されるのです。とりあえず,いっぱいプレゼントをもらえます。

 ただ,最もうれしかったプレゼントは,法科大学院の同期からもらったネーム入りのボールペンでした。

 

 

2.情報戦が始まる

 

 司法試験の合格を目指すときは,豊富な情報に溢れています。

 どの問題集を使えばいいか,出題傾向は何か,教えてくれる人はたくさんいます。

 それが司法試験に合格したとたんに何の情報もない状況にほっぽり出されます。

 特に,司法修習生の出願を忘れてしまうと悲劇です。

 司法試験に合格した後は,司法修習生となって研修を行い,その後裁判官・検察官・弁護士の道へと進んでいきます。

 司法試験に合格したんだから勝手に司法修習生になれると思ったら大間違いです。学者を目指すという理由で修習に行かない人もいるのです。

 明日合格した人は,すぐに最高裁判所のホームページを見に行きましょう。そして出願書類の多さに驚愕しましょう。

 こうして合格者はコミュニケーション能力を身につけていくのです。

 

 

3.司法試験とは全く異なる勉強が始まる

 

 表題を見ただけで叫びたくなりますね。

 必死の思いで司法試験に合格したというのに,新たな勉強が始まります。

 そしてそれは,それまでにしてきた勉強とは全く異なる種類のものです。

 私も司法試験までは型破りな答案を書いてきたと自負していますが,司法研修所で行われる起案では命取りです。

 研修所起案には研修所起案の「作法」があります。覚えましょう。とにかく覚えましょう。

 書き方は研修所から送られてくる大量の冊子に書いてありますので,大丈夫。覚えましょう。

 これが覚えられないと司法試験に不合格するよりもはるかに苛酷な未来が待っています。

 

 

 そんなこんなで司法修習が始まる季節になります。始まってしまったら最後,二度と学生気分には戻れません。

 いまのうちに遊べるだけ遊び,寝られるだけ寝ましょう(飲むのはその後いくらでも飲めます。)。

 大変なことばかりでしたが,司法試験に合格したからこそ,いまの自分があります。

 受験生の皆様の合格を心より祈念しております。

投稿者: アダジオ法律事務所

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